2011 Fiscal Year Annual Research Report
特異的機能団の組み合わせから成る交互共重合体の精密合成と機能発現
Project/Area Number |
21550111
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
森 秀晴 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00262600)
|
Keywords | 高分子合成 / 交互配列 / リビング重合 / 開環重合 |
Research Abstract |
本研究では、「ドナー・アクセプター、アニオン性・カチオン性弱電解質、親水性・疎水性アミノ酸、温度応答性・pH応答性などの機能団が交互に配列した交互共重合体の精密合成とその交互配列に起因した新規機能発現」を目指し、リビングラジカル開環重合を利用した主鎖に芳香族環を有する主鎖側鎖型交互共重合体と、非共役~Lビニルモノマー類の精密ラジカル重合を基盤とした非共役共役型交互共重合体の開発を行った。 可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT:reversible addition-fragmentation chain transfer)系開環重合を利用した主鎖-側鎖型交互共重合体の合成に関しては、スチレン、ビニルピリジンを用いて環状モノマーを合成するアプローチに加え、クロロメチルスチレンを用いる手法を開発した。合成された新規機能性環状モノマーを用いることで各種高分子反応の反応点と成りえるクロロメチル基を側鎖に有するアントラセン含有交互共重合体の合成に成功した。さらに、高分子反応により各種機能団の導入手法も確立した。一方、非共役-共役型交互共重合体に関しては、本手法を発展させシルセスキオキサン微粒子とアミノ酸含有ポリマーとのコンプレックス形成に基づく刺激応答性有機-無機ハイブリッドの構築に成功した。いずれの系も、RAFT重合を用いることより分子量が揃い分子量分布が狭い共重合体に適切な官能基・機能団を任意の位置に導入することが可能である。これらの手法を有効に用いることにより、特殊構造に基づく新規機能性材料を創成した。
|