2009 Fiscal Year Annual Research Report
主鎖パイ共役系と電子相互作用する側鎖置換基を有するパイ共役高分子の合成と物性
Project/Area Number |
21550113
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 隆一 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 特任教授 (10016743)
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Keywords | 高分子合成 / 高分子構造・物性 / 自己組織化 / パイ共役高分子 / 紫外・可視スペクトル / アルキニル基 / 電荷 / アゾール |
Research Abstract |
ポリチオフェン類、ポリフェニレン類等のパイ共役高分子は電子・光機能性高分子として着目されている。本研究では、主鎖にパイ電子系を有する高分子の合成と物性について研究を行った。特に、この様な高分子において、さらに側鎖にアルキニル基やローンペア電子対を有する基等の主鎖と電子相互作用するグループを有するものについて研究した。合成においては、ニッケル錯体やパラジウム錯体を反応剤または触媒に用いる炭素-炭素カップリング反応を主に用いた。 研究の対象としたパイ電子系を有する高分子としては、ポリチオフェンの側鎖に-C≡C-Rアルキニル基を有する高分子等がある。この高分子においては、-C≡C-Rアルキニル基とポリチオフェン主鎖の間に立体障害がないために、ポリチオフェン主鎖は従来報告されているポリチオフェン類におけるよりも高い平面性を有すると考えられる光学的挙動を示した。例えば、この高分子は溶液系において、分子集合による長波長側への大きな電子吸収ピークのシフトを示すことが分かり、大きな3次非線形光学定数も観測されている。また、従来のポリチオフェン類よりもより固体パッキング構造をとりやすいにとが分かり、主鎖に沿う電荷移動が起こり易いことが分かった。ポリチオフェン類以外の複素環から成る高分子においても、いくつかの高分子において固体パッキング構造を明らかにした。またパイ電子系を主鎖に有する幾つかの高分子について、発光現象と電気化学的応答を解析した。アゾールを主鎖に有する高分子については、側鎖にアミノ基を有する高分子およびモデル化合物を合成した。
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