2009 Fiscal Year Annual Research Report
イオン性分子結晶の分子配置固定化による新次元構造高分子の合成とその特性解析
Project/Area Number |
21550117
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 将人 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (20179253)
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Keywords | 分子結晶 / イオン性結晶 / 固相重合 / 重縮合 / 重付加 / 特殊構造高分子 / 高度架橋高分子 / ポリエステル |
Research Abstract |
当初の計画に沿って多官能性の様々なベンジルピリジニウム型カチオンとカルボキシレートアニオンを作成し、それらを組み合わせることによって多様なイオン性分子結晶の作成とその熱固相重合を行った。 1.2官能性モノマーの組み合わせによる線状ポリマーの合成 ジカチオンとジアニオンから良質なイオン性モノマー結晶が得られ、150℃~250℃の加熱によって重合し対応するポリエステルが得られた。しかし、反応温度が200℃以上必要な場合には、分解などの副反応が一部起きていることが判った。良好な反応を行った場合についてX線回折による分析を行ったところ、生成物は非晶質であり、結晶構造の固定という点に関しては現時点では達成できていない。 2.3官能性や4官能性モノマーの組み合わせによる平面網目状ポリエステルの合成 安定なイオン性モノマー結晶を得ることが困難な場合が多かったが、4官能性モノマーとしてテトラフェニルポルフィリン誘導体を用いた場合には、対応する固相重合を行うことができた。しかし、ゲスト分子の導入による包接結晶の作成など、イオン性モノマー結晶の調製条件の検討が必要である。 3.カリックスアレーン誘導体を用いるC60カプセルの合成 様々な条件を検討したが、チアカリックス[4]アレーンのテトラキス(ピリジニウムメチル)誘導体は、C60と包接錯体を形成しないことが判った。また、ホモオキサカリックス[3]アレーンのトリカルボン酸アニオンとp-キシリレンジピリジニウムカチオンの組み合わせでは、加熱によって架橋が起こることが判った。今後、他のカリックスアレーン誘導体を検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)