2011 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造を高度に制御した反応性高分子の合成とクリック反応による配列制御
Project/Area Number |
21550118
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北山 辰樹 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60135671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 健大 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (80452407)
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Keywords | 立体規則性ポリマー / リビング重合 / アジド-アルキン環化付加 / 共重合連鎖 / 保護基 / メタクリル酸プロパルギル / イソタクチックポリマー |
Research Abstract |
1.前年度はメタクリル酸グリシジル(GMA)の立体規則性ポリマーを合成し,その開環反応で側鎖にアジド基を有する立体規則性ポリマーを得たが,配位性エポキシ基の影響で立体制御が十分でなかった。本年度は,アジド化が可能なハロゲン化アルキル基を有するモノマー,メタクリル酸2-クロロエチルの立体特異性重合を試み,Me_3SiOLi存在下の重合でmm含量98%,嵩高いアルミニウム化合物存在下の重合でrr含量97%の立体規則性の高いポリマーの合成に成功し,それぞれの高分子反応で定量的にアジド化ポリマーを得た。 2.アルキンブロック,アジドブロックをそれぞれ有する立体規則性ブロック共重合体を合成し,ブロック間でのクリック反応によって立体規則性分岐ポリマーを合成した.また,相手ブロックにイソタクチックPMMAとシンジオタクチックPMMAのように選択的相互作用の期待できるブロックを選び,ステレオコンプレックス形成溶媒中での反応を行ったが,反応をやや阻害する効果が見られた. 3.グラフト鎖の立体制御を目指して、末端にアジド基を有するシンジオタクチックPMMAを合成し、立体規則性ポリメタクリル酸プロパルギルとの反応で、主鎖・側鎖とも立体制御されたグラフトポリマーの合成を試みた.分子量5000を越える末端アジド化PMMAの反応が十分に進行せず,グラフト鎖導入率は低度に留まった. 4.xylylene diazideなどの二官能性アジドとポリメタクリル酸プロパルギルのクリック反応に及ぼす添加アミンの効果を検討したところ,モノアミン存在下では比較的低濃度でも分子間反応による多量体生成がみられた.一方,配位性の強いトリアミン存在下では分子内反応が優先し,凝縮した一分子架橋体が生成した.初年度で見出した添加アミンの違いによる反応経路の制御が架橋反応にも及ぶことが明らかになった.
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