2009 Fiscal Year Annual Research Report
一次元ナノサイズ金属イオン配列の創成と機能に関する研究
Project/Area Number |
21550126
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
秋山 公男 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (10167851)
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Keywords | 電子スピン / ナノ材料 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究は、自己組織化により生成するGuanine(G)-4量体を単位とする構造体が作り出す、Template金属イオンの一次元配列の機能について解明すること、および、新規磁性金属イオン配列を創成することを目的としている。研究初年度は、自己組織化によるGuanine-4量体の形成が報告されている塩基配列を用いて、光誘起電子移動反応により注入されたHoleの時間分解EPR測定を進め、その磁気的パラメータを決定する。これらの結果を、通常の二重鎖DNA中のHoleについて得られている結果と対応させて検討し、構造体形成に伴うHoleの存在様式の特異性を明らかにすることを目指して進めた。10~25塩基の比較的短いDNA鎖により4量体構造を形成するとされている系について、自己組織化構造体形成のための条件検討を進め、4量体構造の形成条件が確定された系を用いて、時間分解ESR測定を進めた。良好な電子受容体である水溶性のAnthraquinone誘導体を用いて、光誘起電子移動過程で生成するラジカル・ラジカル対のスペクトルの測定・解析を行った。また、ラジカル対のスピンダイナミクスについて、時間分解ESR法と相補的な知見を提供する磁場効果測定のための観測系の整備と改良を進めた。現時点で、4量体構造形成の特異性に起因すると考えられる十分な結果を得ることはできてはいない。しかしながら、形成条件検討と観測された信号との関連から、研究目的を達成する手掛かりを得たので、次年度以降の研究展開のための方向付けができた。また、磁場効果測定システムは性能確認が完了したので、次年度以降、4量体構造内のHoleの存在様式を解明するための有力な分光手法として機能すると期待される。
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Research Products
(4 results)