2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550127
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
近藤 慎一 Yamagata University, 理学部, 准教授 (20281503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 雅史 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20251126)
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Keywords | アニオン認識 / 水素結合 / シラノール / 分子認識 / 超分子化学 / 蛍光スペクトル |
Research Abstract |
シラノール水酸基はアルコール性水酸基、フェノール性水酸基に続く第三の水酸基と考えられ、前二者と同様にゲストアニオンと水素結合会合体を形成することが期待できる。さらにシラノールのケイ素原子上には種々の芳香族官能基などを導入することが可能であり、シラノール誘導体を用いたゲスト分子の会合体形成は、センシングや触媒など多くの応用が可能であると考えられる。我々は、シラノール水酸基を有するレセプター分子を種々合成し、その認識能について基礎的な知見を得ることに成功した。これまではいずれのレセプターにおいても、アニオンとの相互作用については主に^1H NMRを用いて検討していた。その測定は煩雑であるため、実用的ではなかった。生体や環境由来の試料の測定には、より簡便で高感度な手法を用いたアニオンレセプターのイオン認識能に関する評価が必要である。そこで、本研究ではシラノール基とともに機能性官能基を導入したレセプターを合成し、これらレセプターによる高感度かつ簡便なアニオンセンシングの手法の開発を目的とした。本年度は蛍光性の縮合多環芳香族化合物であるアントラセンやピレンを直接ケイ素上に導入したシラノール誘導体の合成を試みた。二つの9-アントリル基を有するシランジオールの合成には成功したものの、その安定性は低く、微量の酸存在下で容易にSi-C結合が開裂することが明らかとなった。ピレニル基の導入については現在も検討を続けている。今後、メチレン鎖などのスペーサーを介してケイ素上に蛍光性官能基を導入することで機能化を果たすことを予定している。
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