2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550127
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
近藤 慎一 山形大学, 理学部, 准教授 (20281503)
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Keywords | アニオン認識 / 水素結合 / シラノール / 分子認識 / 超分子化学 / 蛍光スペクトル |
Research Abstract |
アニオンは生体内や環境中で重要な働きをしており、これらを認識、識別することは重要な課題の一つである。我々は、これまでにアニオンに対する新規な水素結合ドナーとしてシラノール基に着目し、シラノール基を有するアニオンレセプター分子を種々合成し、その認識能について基礎的な知見を得ることに成功した。本研究課題においては、シラノール基を有するレセプターに種々の官能基を導入することで、機能化を果たすことを目的とした。昨年度、アニオン認識において蛍光応答することが可能なジ(1-ピレニル)シランジオールを設計、合成し、その認識挙動について基礎的な知見を得た。本年度はまずこのレセプターの溶媒効果について検討した。アセトニトリルに加え、クロロホルム中でもアニオン添加に伴う蛍光応答が観測されたが、アセトニトリル中と異なり、レシオメトリックな変化を示さなかった。一方で我々は新たな蛍光部位として、2,2'-ビナフチル基に着目している。それぞれのナフチル基に認識部位を導入し、それらが協同的に一つのゲスト分子を認識することで、単結合周りの回転が抑制される結果、蛍光応答のみならず、紫外-可視スペクトルにおいても特徴的な応答を示すことを明らかとしている。尿素部位を導入したレセプターを合成し、塩化物イオン選択性電極に応用可能であることを明らかとした。さらにトリメチルシリル基を導入することで、有機溶媒に対する溶解度を大幅に向上させた。現在は2,2'-ビナフチル基に認識部位としてシラノール基の導入を試みている。
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