2011 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドミメティックなC3対称性キラルボウルからの分子コンテナの構築と機能化
Project/Area Number |
21550129
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
赤染 元浩 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10261934)
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Keywords | 超分子化学 |
Research Abstract |
本研究は,ペプチドを模倣したC3対称のキラルなボウル型化合物を合成し,ホスト-ゲスト化学に新たなボウル型化合物を用いて分子コンテナ群へと展開し,ドラッグデリバリーシステムや分子フラスコなどの機能性物質群を構築することを目的とする。 本年度は,2-(3-アミノフェノキシ)アルカン酸の環状三量体がつくり出すボウル型構造が不斉認識能を有することを見出した。ボウル型トリペプチドはアミノ酸由来の光学活性化合物であり,ラセミ体の第4級アンモニウム塩と錯形成すると,ジアステレオマーの関係になるために,NMRでは異なる化学シフトを与えた。ラセミ体の第4級アンモニウム塩のキラルシフト剤として応用できることがわかった。 さらに,ホストの合成法では2-(3-アミノフェノキシ)アルカン酸からの直接1段階縮合法で環状三量体を効率よく得ら条件を検討した。2-(3-アミノフェノキシ)アルカン酸を縮合剤T3Pで環化させることにより、環状トリペプチドおよび環状テトラペプチドがそれぞれ31%および17%で得られた。同様にメチルエステルにを持つ環状トリペプチドおよび環状テトラペプチドが26%および14%で得られた。これによりボウル型トリペプチドの効率的合成が達成できた。 さらに2-(3-アミノ-5-(メトキシカルボニル)フェノキシ)アルカン酸を用いることでコンテナ化に必要なボウルのリム部分へのエステル官能基の導入した環状三量体を合成した。エステル官能基をけん化しカルボン酸とし,ヘキシルアミンと縮合させることでリム部分にアミド基を持つ環状三量体へ変換した。アミドにを持つ環状三量体の_1HNMRスペクトルではリム部に導入したアミドの化学シフトが濃度によって変化した。このことから分子会合が起こっていると考えられる。
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