2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550130
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
今久保 達郎 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (60291332)
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Keywords | 有機導体 / 分子性固体 / 超分子化学 / 結晶成長 / 半導体物性 |
Research Abstract |
1. ヘテロ接合型単結晶の基板となる大型超分子結晶の開発 含ヨウ素ドナー分子DIP(diiodo (pyrazino) tetrathiafulvalene)を用いて、支持電解質としてテトラブチルアンモニウムテトラフルオロホスフェートの共存下、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノールなどのアルコール系溶媒、およびアセトン、酢酸エチルなどのカルボニル基を有する溶媒等を用いて、定電流電気分解による単結晶育成を行った。アルコール系溶媒を用いた電気分解では、室温では含ヨウ素ドナー分子の溶解性が殆ど無いことが判明した。そこで電解セル全体を40℃に保持して育成を行うことにより、目的とする単結晶を得ることに成功した。得られた単結晶についてX線構造解析を行い、DIPのセレン誘導体の場合と同様に、I・・・N型ヨウ素結合による超分子ネットワークによって、チャンネル構造を有する六方晶系が構築されていることを確認した。特に酢酸エチルを溶媒として含む単結晶では、特異的に大型の板状晶(直径数mmの六角板状晶)が再現性良く得られることが判明しており、ヘテロ接合型単結晶育成のための基板として活用していく予定である。 2. 複合結晶育成のための電極の開発 本研究で目的とするヘテロ接合型単結晶の育成を行うためには、基板となる単結晶を如何に固定するかが解決すべき課題となる。今年度は、上記1で開発した大型単結晶の中から比較的大きな結晶を用いて、各種接着剤、ペースト類による結晶品質への影響評価を行い、2段階目の結晶育成に向けた条件検討を行った。また、電圧源内蔵型のピコアンメータを購入し、ヘテロ接合型単結晶の特性測定を行うための基礎的なシステム構築を行った。
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Research Products
(6 results)