2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550130
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
今久保 達郎 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (60291332)
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Keywords | 有機導体 / 分子性固体 / 超分子化学 / 結晶成長 / 半導体物性 |
Research Abstract |
前年度までに得られた成果をもとに、結晶溶媒の違いによる組成の変化と、それを利用したヘテロ接合型有機単結晶の育成を中心に研究を推進した。含ヨウ素ドナー分子DIP(=diiodo(pyrazino)tetrathiafulvalene)を用いた六方晶系の超分子有機伝導体(DIP)3(PF6)x(solvent)yの中でも、特に結晶溶媒として酢酸エチルを用いた系では、大型の六角板状結晶を得ることが出来る。そこで、この六角板状結晶を基盤として用いたヘテロ接合型有機単結晶の育成を様々な条件下で行い、特に別の結晶溶媒を含むDIP系を用いた場合に良質のヘテロ接合型有機単結晶の育成に成功した。また、DIPのセレン誘導体であるDIPSeの系では、含水THF中での加熱環流により中性のドナー分子が効率よく回収できる特異なリサイクル性を有することがわかっている。そこで、本研究で用いているDIPにおいても同様のリサイクル性の有無を検討したところ、THFよりも安価で安全な溶媒であるアセトン中において、ほぼ定量的に原料の中性ドナー分子を回収できることを見い出した。更に、X線結晶構造解析の結果をもとに、結晶溶媒と対アニオンが異なるチャンネル空孔に包接されている(DIP)3(PF6)x(acetone)yの単結晶からの結晶溶媒の選択的な引き抜きを試みたところ、加熱温度と速度をコントロールすることにより、段階的にアセトンが脱離する様子を熱重量分析により捉えることに成功した。以上の成果は国際的にも注目を集め、論文が掲載された英国化学会の学術誌CrystEngCommの表紙イラスト(outside front cover)に採用された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)