2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550138
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
藤田 渉 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50292719)
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Keywords | 有機ラジカル / 結晶構造解析 / 磁気的性質 / 相転移 / フェリ磁性 |
Research Abstract |
本課題ではネオジムやサマリウム等の希少金属元素に頼らず、豊富な元素(炭素、窒素、硫黄、水素、鉄等)を資源とした高機能磁性材料の開発に取り組んだ。分子性物質を元に高い磁気秩序転移温度(磁石として機能する温度)が見込まれるフェリ磁性体の構築を目指して、有機分子磁性カチオンと金属錯アニオン種の合成研究を行った。それらを組み合わせて両磁性種間における正負電荷のクーロン相互作用を利用した結晶内配列制御を行い、なおかつ強い反強磁性的相互作用を導入するための方法論を確立することを目指した。有機ラジカルBBDTA^+(S=1/2)と磁性錯アニオン(MnCl_4^<2->,MnBr_4^<2->,FeCl_4^<2->,CoCl_4^<2->,CoBr_4^<2->,NiCl_4^<2->,NiBr_4^<2->,CuCl_4^<2->,CuBr_4^<2->,Fe(mnt)_2^-,Fe(tdas)_2^-,Fe(bdt)_2^-)とを組み合わせ、塩結晶を作成し、磁気測定および結晶構造解析を行った。残念ながら、フェリ磁性体は発見できなかったが、BBDTA・Fe(bdt)_2が22Kで反強磁性転移を示すことを明らかにした。この物質の磁気挙動がフェリ磁性体と類似していることから、この物質内にはフェリ磁性的ドメインが存在し、ドメイン間で反強磁性的相互作用が働くことにより、自発磁化を打ち消しあっていると考えられる。今後はこの物質の結晶構造を明らかにして、フェリ磁性ドメインを確認するとともに、遷移金属アニオンの配位子部分の化学修飾を行うことで、フェリ磁性を実現する予定である。
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Research Products
(4 results)