2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550138
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
藤田 渉 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50292719)
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Keywords | 有機ラジカル / 分子磁性 / 磁気相転移 / 結晶構造 / スピンギャップ / 反強磁性転移 / 二次元磁性体 |
Research Abstract |
本課題ではネオジムやサマリウム等の希少金属元素に頼らず、豊富な元素(炭素、窒素、硫黄、水素、鉄等)を資源とした高機能磁性材料の開発に取り組んだ。分子性物質を元に高い磁気秩序転移温度(磁石として機能する温度)が見込まれるフェリ磁性体の構築を目指して、有機分子磁性カチオンと金属錯アニオン種の合成研究を行った。それらを組み合わせて両磁性種間における正負電荷のクーロン相互作用を利用した結晶内配列制御を行い、なおかつ強い反強磁性的相互作用を導入するための方法論を確立することを目指した。 本年度は結晶中における有機ラジカル間の磁気的相互作用と、分子配列との相関を明らかにするため、反磁性アニオンを含む結晶について検討を行った。BBDTA^+と反磁性アニオンInI_4^-、TlBr_4^-、TlI_4^-、AuBr_4^-とをそれぞれ用いて合計4種類の塩を作成した。いずれもBBDTA^+が二次元正方格子の頂点に位置する分子配列を形成することを明らかにした。これらの塩は二次元正方格子ネットワークを形成しているにも関わらず、TlBr_4塩は反強磁性秩序転移を、InI_4塩ならびにTlI_4塩はメタ磁性転移を、AuBr_4塩はスピンギャップ転移を示すことを明らかにした。
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