2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550142
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
秋山 陽久 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ナノテクノロジー研究部門, 研究員 (80356352)
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Keywords | 液晶 / オリゴマー / 糖アルコール / 光異性化 / アゾベンゼン / スメクチック相 |
Research Abstract |
本研究課題においては、安価に入手可能な糖類を基盤とする、新しい液晶材料の可能性を吟味し、実用的な化合物群として提供するとともに、高分子量液晶材料の新たな合成指針を確立することを主たる目的としており、具体的には種々の糖アルコールを中心構造に用いて複数の棒状分子を共有結合で繋いだオリゴマー類似体の合成と液晶性の評価および光・電気物性の評価を行っている。昨年度はすでに合成してあった一連のアゾベンゼン系光応答性オリゴマー液晶材料の光反応について検討した。2量体から8量体類似体までそれらの化合物の光反応性を調べた結果、光反応に伴った従来にない相転移現象を見いだした。つまり本来等方相からの冷却課程でしか現れない液晶相を、熱的な刺激ではなく、光反応によりもたらすことに成功した。また、相転移に伴う流動性の光制御に成功し、この反応が紫外光線照射と可視光線照射とで可逆的に行えることを明らかにした。現在、特許化申請の手続きと論文発表準備を進めている。さらに本研究では、メソゲンユニット(棒状部分)に対して種々の化学構造導入が可能であることと液晶の配向性とを利用した新たな光応答性の光学素子と、電気応答性をも有する多重応答性光学素子の作製を目指しており、その一環として、電場応答性の液晶材料の合成目的で、大きな双極子をもつシアノビフェニル系のメソゲンユニットを糖アルコールの複数水酸基に導入した化合物の合成に一部成功した。
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