2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550142
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
秋山 陽久 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 研究員 (80356352)
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Keywords | 高分子合成 / 高分子構造・物性 / 合成化学 / 液晶 |
Research Abstract |
本研究課題においては、安価に入手可な糖類を基盤とする、新しい液晶材料の可能性を吟味し、実用的な化合物群として提供するとともに、高分子量液晶材料の新たな合成指針を確立することを主たる目的としている。糖アルコールの複数の水酸基をすべてメソゲン性アルキルアゾベンゼン誘導体で置換して合成した新規化合物は、従来型の側鎖型高分子液晶と類似構造をもちながち単一分子で分子量分布が存在しないため、液晶性と糖アルコール誘導体のメソゲン性置換基数の相関を明らかにすることが可能である。実際に、側鎖の置換基数が2から8と増すことで液晶としての性質がより安定的に現れた。室温において粉末状態のこれらの化合物が紫外線の照射により液化することと、さらなる可視光線照射により再び固化することを見出しているが、本年度の詳細な転移挙動の検討から、一連の化合物群の中で結晶状態を示す化合物では光による転移が見られなかったことから、高次の液晶相、もしくは中間相が、この光相転移挙動に関係していることが示唆された。同じ糖アルコール骨格構造もつ電場応答性の材料に関しても研究を進めており、現在までに2種類の化合物について合成を行い液晶性の発現を確認しているが、高次の液晶相のみが出現することがわかった。これらの材料を2枚の透明電極間に挟み込んで電場応答性について検討したが、電場にたいする配向の応答はわずかであった。今後は、さらなる合成を行い一連の系統だったサンプルに対して調査を行う予定である。
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