2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550142
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
秋山 陽久 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 主任研究員 (80356352)
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Keywords | 接着剤 / 液晶性ガラス / 光制御 / アゾベンゼン / 液化 / 固化 |
Research Abstract |
これまでに1.粉末状態の【光応答性メソゲン部位を糖骨格でつないだ液晶化合物】が紫外線の照射により液化することと、さらなる可視光線照射により再び固化することを見出している。本年度はこの現象が起こる温度範囲について検討し、室温近傍の広い範囲で行えることを明らかにした。次にその原理について調べるため、超薄膜における吸収スペクトルを測定した。その結果、光反応性ユニットが固体状態において強く会合していることが分かった。一方で強い会合状態にもかかわらず光反応が可能であり、一度液化させて固化させた場合と最初の固体状態では異なる状態になることを明らかにした。さらに、このような化合物を利用して光で接着、脱着が可能となる接着剤への応用について検討した。その結果ガラス基板2枚を光で可逆的に接着したり脱着したりすることに成功した。このとき接着強度を簡易的な方法で測定して100倍以上変化することが分かった。これらの結果を論文にまとめた。この内容についてプレスリリースを行ったところ、現在新聞やテレビ、雑誌等で広く取り上げられ、多数の企業等から引き合いを受けている。また、当該化合物を大量合成するための方法を検討した。市販の試薬から3ステップの反応が必要であるが、これまではそれぞれの中間体についてカラムクロマト分離を行っていた。この方法は大量合成には向かないので再結晶による分離を試みた。その結果最初の2ステップについては再結晶のみで単離精製出来ることを明らかにし、実際に40倍のスケールで合成を行った。光反応性のユニットについてはこれまでアゾベンゼンのみを用いていたが、他の無色の光反応性ユニットを導入した化合物を新たに合成した。この化合物は液晶性こそ示さないものの、ガラス固体状態をとることがわかり新たな感光性フィルムとして利用が期待できることが分かった。
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