2010 Fiscal Year Annual Research Report
光応答性自己組織体のフォトメカニカル効果・機構解明と展開
Project/Area Number |
21550143
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松澤 洋子 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 研究員 (10358020)
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Keywords | 自己組織化 / 超分子化学 / 光スイッチ / コロイド化学 / ソフトマテリアル / 光異性化反応 / オリゴペプチド / 水素結合 |
Research Abstract |
代表的フォトクロミック分子であるアゾベンゼンは、光幾何異性化反応によって分子構造や極性が大きく変化するため、機能材料創出に多く利用されている。本研究では、アゾベンゼンが光幾何異性化することによって励起されるマクロな構造変化、いわゆる「フォトメカニカル効果」に焦点を絞り、これまでに開発した超構造を有する組織体を用いて、光に高感度に応答して駆動する分子系を創出するための基盤技術確立を最終目標としている。平成22年度は、効果的にフォトメカニカル効果を発現する超構造の創製に向けて、分子設計の観点から検討を行った。超構造の形成に関与するオリゴペプチド基を構成するアミノ酸を種々変えたもの(イソロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、バリン等)を設計合成し、各種溶媒(ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、水等)を用い、組織化能等について詳細に調べた。結果、イソロイシン、フェニルアラニン、メチオニンを含むオリゴペプチド基が置換された化合物は、バリンで構成された化合物と比較して組織化できる溶媒の種類が非常に少ないことがわかった。さらに形成された組織体は、オリゴペプチド基の疎水基間に働く分子間相互作用が強く、フォトクロミック部位の光応答性を多少妨げてしまうことがわかった。これらのことから、バリンを含むオリゴペプチド基が形成する自己組織化ネットワークが光応答性機能材料として最もふさわしいことがわかった。
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Research Products
(1 results)