2011 Fiscal Year Annual Research Report
光応答性自己組織体のフォトメカニカル効果・機構解明と展開
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21550143
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松澤 洋子 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 研究員 (10358020)
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Keywords | 分子ゲル / オリゴペプチド / シアノビフェニル / 水素結合 / 蛍光 / 自己組織体 |
Research Abstract |
光に応答する組織化を作製するためには、組織体中における分子間相互作用についての知見を蓄積することが重要である。これまでに、オリゴペプチド基について、ペプチドの側鎖を変えたものを種々合成し、それらの組織化挙動について検討を行ってきた。今回、さらに組織化を支配する因子を検討するために、会合状態をその蛍光挙動を観察することで考察することのできるクロモフォアとしてシアノビフェニルを置換したオリゴペプチド誘導体を合成し、そのゲル化特性ならびに蛍光挙動について検討を行った。オリゴペプチドにはこれまでに得られた知見から、トリバリルを採用した。当初、シアノビフェニルとトリバリル基の連結部を-(CH2)2-にした分子設計を行ったが、反応機構上、副反応生成物が主な生成物として得られてしまうことが判明し、連結部を-(CH2)-に変更したものを設計合成した。得られたオリゴペプチド化合物について、各種溶媒(CH3Cl,THF,Toluene,D2O,酢酸エチル,i-PA,アセトニトリル,DMSO,CH2C12,ジオキサン,n-プロパノール,DMF,DMSO,DMA,EtOH,MeOH)への溶解性を検討した。DMSO,DMA,DMFに可溶であることがわかった。さらに、これら3つ(DMSO,DMA,DMF)の溶媒と水の混合系を用いてゲル化試験を行った。DMA,DMF,DMSOいずれの溶媒も水を混合することでゲル化した。なかでも、DMSOを用いた場合は最も少量の水の添加によりゲル化することがわかった。混合比、ゲルの安定性等から評価した結果、DMSO/水系が最も良好なゲルを形成することがわかった。さらに、このゲルはシアノビフェニルからのエキサイマー発光によると思われる強い蛍光を発することがわかった。
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