2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550160
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
真木 俊英 長崎大学, 共同研究交流センター, 准教授 (10291535)
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Keywords | エーテル結合形成 / ベンジル化 / 質量分析用分子標識剤 / 糖 / 光開裂性 / ホルミル基 / αジケトン / 生命鎖 |
Research Abstract |
複雑な生命鎖分子の疎水性を増大させ、検出を容易にする一般的前処理法の確立、および新しいタイプの分子捕捉能を有する光開裂性分子の開発を目指して研究を行い、以下の知見を得た。 弱塩基条件下での水酸基のエーテル化法を開発し、生命鎖分子の疎水性を増大させるための誘導化法の基礎条件を見いだした。弱塩基として3級アミン、ピロリン酸法、2,6-ルチジンと触媒を用いる方法の、大きく3種類に分類される方法を考案し、これまでに前2者の特性をほぼ明かにすることができた。標的の生命鎖分子によって、それぞれの方法を使い分けることが可能である。 また、新しい分子捕捉官能基の検討を進め、糖鎖を標的とするジケトン型分子捕捉部位を有する光開裂性分子の簡便な合成法を確立した。この分子は、光開裂性を発現するために必要なカルボニル構造を利用して、分子捕捉部位となるホルミル基を活性階するという着想に基づいたデザインである。質量分析用標識剤は、分子量が小さくなるほど検出感度が向上する。先の分子デザインにより、標識剤全体の分子量を低く抑えることに成功した。本分子は、期待通り1,2-ジオール構造を効果的に捕捉し、レーザー脱離イオン化条件下において、効果的にTOF-MSによる検出が可能であることを確認した。
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