2009 Fiscal Year Annual Research Report
南方系薬用植物に含まれるシガテラ毒解毒活性物質の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
21550161
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
濱田 季之 Kagoshima University, 理工学研究科(理学系), 准教授 (40321799)
|
Keywords | モンパノキ / ハマゴウ / Neuro-2a / NMR(核磁気共鳴)法 / 化学構造 / シガテラ毒解毒活性 |
Research Abstract |
平成21年度は、薬用植物に含まれているシガテラ毒解毒活性物質の単離および化学構造の解明を行った。 1. 試料の採集および溶媒分画:研究試料となる薬用植物のうち、モンパノキとハマゴウに含まれる成分について検討した。喜界島で採集したモンパノキ20kgと鹿児島県いちき串木野市で採集したハマゴウ10kgについて、メタノール抽出後、溶媒分画を行った。 2. 活性試験およびシガテラ毒解毒活性化合物の単離:マウス繊維芽細胞Neuro-2aを用いて細胞増殖試験の系を立ち上げた。発色試薬はWST-8を用いた。ベラトリジンとウアバインの濃度を最適化し、BTXの濃度120nMでNaチャンネル障害(過剰開放)を起こす条件を検討した。予備実験を繰り返し、活性試験の最適化を行った後、薬用植物の抽出物がどの程度の抑制するのかについて検討した。モンパノキ、ハマゴウともに、比較的水溶性の画分にシガテラ毒解毒活性が見られた。水溶性画分については、フラッシュクロマトグラフィー、ゲルろ過、および逆相HPLCにより、シガテラ毒解毒物質の単離を行った。現在のところ、モンパノキから13種類の有機化合物を単離し、そのうち、5種類の化合物にシガテラ毒解毒活性が見られた。 3. 解毒活性物質の化学構造の決定:得られたシガテラ毒解毒物質の構造は、主にNMR(核磁気共鳴)法を用いて決定した。また、質量分析(MS)法、赤外吸収分光(IR)法、紫外吸収分光(UV)法などもNMR法と相補的に用いることで最終の立体化学を含めた化学構造を決定した。シガテラ毒解毒活性が見られた5種類の化合物は、糖類であった。
|