2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550166
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
松井 淳 Konan University, フロンティアサイエンス学部, 教授 (10264954)
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Keywords | 分子認識 / モレキュラーインプリンティング法 / 液体クロマトグラフィー / パーフルオロオクタン酸 / 水素結合 / 界面活性剤 / 有機フッ素化合物 / 免疫吸着剤 |
Research Abstract |
環境中や生体内への蓄積が懸念されている含フッ素界面活性剤パーフルオロオクタン酸(PFOA)を選択的に捕捉する分子認識材料を合成することを目的として、モレキュラーインプリンティング法による高分子合成を行うとともに、使用するモノマーおよび架橋剤について検討を行った。PFOAのパーフルオロオクチル基とカルボキシル基をそれぞれフッ素化合物間相互作用および水素結合で認識することを想定し、含フッ素モノマーであるトリフルオロメチルアクリル酸、および水素結合形成性のモノマーであるメタクリル酸などについて、比較検討を行った。また、架橋剤についても、ジメタクリル酸エチレングリコールや、リンカー部にフッ素をもつジメタクリル酸2,2,3,3,4,4,-ヘキサフルオロペンタン-1,5-ジイルなどを比較検討した。なお、高分子の評価は、得られた高分子を粒子状に粉砕し、液体クロマトグラフィー用カラムに充填してPFOAなどの保持を計測する方法により行った。その結果、モノマーの架橋剤の両方がフッ素を含む場合に、最も長くPFOAが保持され、溶離液にメタノール-水混合液(1:1,v/v,0.02%TFA)を用いた際の保持係数は約9であった。溶離液の水の比率を上げるにつれて保持が増大したことからフッ素化合物間相互作用の寄与が示唆され、また、PFOAがイオン型をとるpH領域では保持が劇的に減少したことから水素結合の寄与が示唆された。PFOAの構造類似化合物の保持を調べることにより選択性の評価を行ったところ、フッ素をもたないオクタン酸やフッ化炭素基が短いパーフルオロヘプタン酸などの保持は有為に小さく、モレキュラーインプリント高分子がPFOAに対して選択的保持能を有することが示唆された。
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Research Products
(5 results)