2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550166
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
松井 淳 甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 教授 (10264954)
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Keywords | 生体材料 / 環境 / 分子認識 / パーフルオロオクタン酸 / 界面活性剤 |
Research Abstract |
環境中や生体内への蓄積が懸念されている含フッ素界面活性剤パーフルオロオクタン酸(PFOA)を検出するセンサーを構築することを目的として研究を行った。PFOAを選択的に捕捉する分子認識素子として、昨年までに検討済みのモレキュラーインプリント高分子を用い、検出デバイスには反射型干渉分光測定装置(RIfS)を用いてPFOAの検出について検討を行った。RIfSは基板表面に固定化した高分子膜の光学膜厚を計測することができる装置である。モレキュラーインプリント高分子は、標的分子との結合に応じて膨潤もしくは収縮することが知られているので、この変化を観測することで標的分子の定量を行うというのが本センサーの原理である。モレキュラーインプリント高分子の合成においては、昨年度検討を行ったトリフルオロメチルアクリル酸(PFOAのカルボキシ基を認識するためのモノマー)とジメタクリル酸2,2,3,3,4,4,-ヘキサフルオロペンタン-1,5-ジイル(架橋剤)を用いる系に加えて、4-ビニルピリジン(カルボキシ基を認識するためのモノマー)とアクリル酸ペンタデカフルオロオクチル(フッ化炭素を認識するためのモノマー)を用いる系などについて検討を行った。チッ化ケイ素基板表面をアミノ基修飾し、さらにアクリル酸クロリドとの反応によってビニル基を導入した後、上記共重合高分子で被覆した。このモレキュラーインプリント高分子修飾基板を用いて、PFOAの検出を行ったところ、いずれの基板においてもPFOAに対して応答を確認することができた。しかし、検出可能な濃度はmMレンジであり、高分子の膨潤・収縮特性の改善及びコンポジット化など、さらなる高感度化が必要と考えられる。
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