2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しい原理に基づく高性能書き換え可能ホログラムの開発を志向した材料の探索研究
Project/Area Number |
21550171
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 英之 Osaka University, 工学研究科, 講師 (00222167)
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Keywords | ホログラム / 光異性化 / 可塑化 / 結晶化 / 光誘起物質移動 / フォトクロミックアモルファス分子材料 / アゾベンゼン / フォトメカニカル効果 |
Research Abstract |
アゾベンゼン系アモルファス材料を用いる光誘起表面レリーフ回折格子(SRG)形成が注目を集めている。この現象を念頭に、本研究では、これまでにない全く新しい原理に基づいた書き換え可能なホログラムの開発を目指して、材料の探索と評価、ならびに関連する物理化学的現象の解明に関する研究を行う。優れた書き換え可能ホログラム用材料が開発できれば、将来の情報化社会を支える重要な材料としての応用が広がると期待され、社会的な波及効果も大きいと考えられる。 本年度は、書き換え可能ホログラム用の材料となることが期待される新しいフォトクロミックアモルファス分子材料4-[ビス(9, 9-ジメチルフルオレン-2-イル)アミノ]-4'-シアノアゾベンゼン(CN-BFlAB)および4-[ビス(9, 9-ジメチルフルオレン-2-イル)アミノ]-4'-ニトロアゾベンゼン(NO_2-BFlAB)を設計・合成し、これらのガラス形成能、フォトクロミック特性などを明らかにするとともに、これらのアモルファス薄膜を用いる光誘起SRG形成を、ガラス転移温度やアモルファス中における反応特性と相関させて明らかにした。 また、物質移動が関連する研究として、BFlABを用いてアモルファス分子ファイバーを作製し、そのフォトメカニカル効果を検討した。その結果、このファイバーが光照射に伴って屈曲すること、その屈曲方向が、照射する光の偏光方向によって制御できることを明らかにし、このことがファイバー上で誘起される物質移動の効果に基づくことを示唆する結果を得た。
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