2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しい原理に基づく高性能書き換え可能ホログラムの開発を志向した材料の探索研究
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21550171
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 英之 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00222167)
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Keywords | ホログラム / 光異性化 / 混合膜 / 結晶化 / 光誘起物質移動 / フォトクロミックアモルファス分子材料 / アゾベンゼン / フォトメカニカル効果 |
Research Abstract |
アゾベンゼン系アモルファス材料を用いる光誘起表面レリーフ回折格子(SRG)形成が注目を集めている。この現象を念頭に、本研究では、これまでにない全く新しい原理に基づいた書き換え可能なホログラムの開発を目指して、材料の探索と評価、ならびに関連する物理化学的現象の解明に関する研究を行う。優れた書き換え可能ホログラム用材料が開発できれば、将来の情報化社会を支える重要な材料としての応用が広がると期待され、社会的な波及効果も大きいと考えられる。 本年度は、昨年度までにすでに開発していたフォトクロミックアモルファス分子材料4-[bis(4-methylphenyl)amino]azobenzene(BMAB)と光に応答しないアモルファス分子材料4,4',4"-tris[3-methylphenyl(phenyl)amino]triphenylamine(m-MTDATA)の混合膜を用いて光誘起SRG形成の検討を行った。その結果、BMAB単独膜に比べてSRG形成能が大幅に向上することを明らかにした。このSRGはBMABのガラス転移温度よりも十分高い55℃でアニールしても消滅しないことから、光に応答しないm-MTDATA分子がBMABとともに移動したことが示唆される。 また、物質移動が関連する研究として、昨年度、4-[bis(9,9-dimethylfluoren-2-yl)amino]azobenzene(BFIAB)を用いて見出した、アモルファス分子ファイバーのフォトメカニカル効果(ファイバーが光照射に伴って屈曲すること、その屈曲方向が、照射する光の偏光方向によって制御できること)について、他のフォトクロミックアモルファス分子材料でも検討を行い、この効果がフォトクロミックアモルファス分子材料に一般的に見られる現象であることを示した。
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