2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550175
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
城田 幸一郎 The Institute of Physical and Chemical Research, 河田ナノフォトニクス研究室, 先任研究員 (00291071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 眞次 北見工業大学, 工学部, 准教授 (10240491)
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Keywords | 局在表面プラズモン / 液晶 / 金ナノ粒子 / ナノ材料 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、液晶性を有するプラズモニック材料を開発することである。局在表面プラズモンのような物質系と結合した電磁波モードは、光の回折限界を打ち破ることができるので、本研究の成果により光回路の微小化に貢献することができる。本年度は、プラズモニック液晶材料の作製技術確立に注力した。 1.保護剤用の液晶合成・金ナノ粒子の作製・粒径制御 金属ナノ粒子を保護する液晶をペンチルシクロヘキシルフェノールから合成した。この液晶は疎水性なので、Brust法により塩化金酸溶液を還元することで、所望の金ナノ粒子を作製した。金ナノ粒子の粒径は、TEM観察により約2nmであることが分かった。この金ナノ粒子トルエン溶液の吸収スペクトルには、プラズモン共鳴のピークがほとんど現れず、局在表面プラズモンによる電場増強を活かすには、粒子を成長させる必要があった。そこで、プロトン酸とハロゲンアニオンによる粒径成長処理を試みた。その結果、粒径10nm程度の粒子を得ることもできたが、安定的な粒径は約5nm程度迄であることが明らかになった。 2.基礎物性評価 作製した液晶-金ナノ粒子複合体の液晶性を調べるために示差走査熱量測定を行ったところ複数の相転移を示唆するデータが得られた。しかし、予備的なX線回折実験では、温度変化による構造変化は見られていない。また、次年度以降の光伝搬特性を評価するためには、高次の周期構造の発現が好ましいが、2次元格子に対応するピークは存在しなかった。そのため、保護剤に用いる液晶の分子設計を再検討し、液晶合成および金ナノ粒子の作製にフィードバックした。
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Research Products
(1 results)