2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550175
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
城田 幸一郎 独立行政法人理化学研究所, 河田ナノフォトニクス研究室, 先任研究員 (00291071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 眞次 北見工業大学, 工学部, 教授 (10240491)
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Keywords | 局在表面プラズモン / 液晶 / 金ナノ粒子 / ナノ材料 / 自己組織化 / ランダムレーザー |
Research Abstract |
液晶性を有するプラズモニック材料を開発することが本研究の目的であり、本年度はカラムナー液晶による金ナノ粒子複合体の作製とプラズモニック液晶のランダムレーザーへの応用を進めた。 1.カラムナー液晶による金ナノ粒子複合体の作製 液晶は没食子酸メチルとアルキルブロマイドを塩基性条件下で反応させて長鎖アルキル基を導入し、ついでエステル部をω-ブロモアルキルアミンと反応させ、スペーサー成分であるブロモアルキル基を導入後、ブロモ基をメルカプト基に変換することで合成した。さらに、液晶存在下で、塩化金酸を還元することによってプラズモニック液晶材料とした。得られた液晶は室温付近でカラムナー相を取ることが確認できた。X線構造解析の結果、作製した液晶-金ナノ粒子複合体は、立方晶構造をとることが分かった。これにより、液晶性を利用して金ナノ粒子を3次元的に配列させられることが実証できた。 2.プラズモニック液晶のランダムレーザーへの応用 液晶ランダムレーザーに金属ナノ粒子を添加すると、金属の大きな散乱断面積を活かせると共に、局在表面プラズモン共鳴による蛍光増強により、発振閾値の低減が期待できる。本年度は、発振閾値に対する金ナノ粒子の粒径依存性を評価した。用いる金ナノ粒子は、液晶への分散性を高め、さらに金属表面へのエネルギー移動による蛍光消光を避けるために、液晶分子によって被覆しているが、このような金ナノ粒子を通常の製法で作製すると直径数nm以下になるため、局在表面プラズモン共鳴を活かすことはできなかった。そこで、粒子の製法および成長法を工夫することで、粒径1.6から20nmの粒子を作製し、発振閾値を求めたところ、直径4nm以上の粒子を用いればランダムレーザー発振の閾値を大幅に低減できることが分かった。
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Research Products
(1 results)