2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境応答型フッ素系高分子ナノ粒子の開発とその複合機能化生活材料設計
Project/Area Number |
21550179
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
澤田 英夫 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50259909)
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Keywords | 含フッ素オリゴマー / ナノコンポジット / シリカナノ粒子 / 表面処理 / 防汚・親水 / 超親水性 / 超撥油性 / 抗菌活性 |
Research Abstract |
本研究目的は、我々の生活に深く関連した材料表面への実用レベルでの表面処理を可能とさせ、改質された材料表面にフッ素に起因した高い防汚性さらには高い水洗浄性を発現させ、抗菌活性等の機能をも併せて発現しうる複合機能化生活材料の設計を可能とさせうる新しいタイプの環境応答型フッ素系高分子ナノ粒子を開発することにある。特に高い水洗浄性の発現により、改質された材料表面の油汚れを雨水により容易に除去できるメンテナンスフリーシステムの構築へ展開させることもその目的である。平成21年度の研究では、高い洗浄性を有するガラス質フッ素系高分子ナノ粒子表面処理剤として、主にカルボキシル基を有するフルオロアルキル基含有オリゴマー類とテトラエトキシシランおよびシリカナノ粒子との反応によるフルオロアルキル基含有オリゴマー/シリカナノ粒子の合成を成功させ、次いでこれらナノ粒子の分散安定性さらには熱安定性を含めたキャラクタリゼーションに関する検討を行った。 平成22年度では、スルホ基さらにはホスホニウウムセグメントを有する一連のフルオロアルキル基含有オリゴマー/シリカナノコンポジットの調製とその表面処理技術の開発に成功した。特に、スルホ基を有する含フッ素ナノコンポジットにおいては、改質された膜表面に超撥水性、超撥油性さらには超親水性等の機能を環境の変化に応じて発現させることに成功した。ホスホニウムセグメントを有する含フッ素ナノコンポジットにおいては、親水性さらには撥油性以外に抗菌活性をもその改質膜表面に発現させることに成功した。 今後は、今までに得られた本研究成果を基にフッ素系高分子ナノ粒子により改質された材料表面における環境の変化に順応したflip-flop運動による防汚-親水機能と表面抗菌活性との相関性を明確にさせ、環境応答型フッ素系高分子ナノ粒子を用いた複合機能化生活材料設計に関する考察と総括を行っていきたい。
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