2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550182
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
近藤 行成 Tokyo University of Science, 工学部, 講師 (70277276)
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Keywords | 金色 / 結晶 / J会合体 / アゾベンゼン |
Research Abstract |
化学の歴史は、卑金属から貴金属である金を創り出す錬金術に端を発している。本研究では、両末端にジメチルアミノ基を有するアゾベンゼン誘導体(DN-azo)をアセトン/水溶媒から再結晶したところ、金色光沢を示す結晶の作製に成功した。この金色光沢結晶は可視光に対し約15%の正反射率を有し、UVおよびXRD測定より、DN-azo分子は結晶中でJ会合体を形成し、結晶面に対して約45°傾けた状態で配列していることが分かった。結晶中には結晶性の水分子が存在し、この水分子の消失により、結晶の金色光沢は黄色へと変化した。このことから、水分子が金色光沢結晶中での分子配列を安定化させていることが明らかになった。さらに、DN-azo分子の2つのジメチルアミノ基をイソプロピル基に置換した構造の化合物(DC-azo)を合成し、DN-azoと同様の結晶化操作を行ったところ、同様の金色のフィルム状結晶が得られた。この結晶は結晶水を含んでいないため、乾燥させても金色を維持した。すなわち、常に金色を有する低分子有機結晶の創製に成功した。
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Research Products
(6 results)