2009 Fiscal Year Annual Research Report
TiO2表面の可視光励起キャリアーによる反応素過程のESR追跡
Project/Area Number |
21550190
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
駒口 健治 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 助教 (80291483)
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Keywords | 二酸化チタン / 電子スピン共鳴法 / スーパーオキシドラジカルアニオン / 可視光励起電子移動反応 |
Research Abstract |
初年度は,二酸化チタン(TiO_2)への可視光照射で起こる電荷移動過程を調査するためのモデル系として、部分的に還元したTiO_2ナノ粒子に酸素を吸着させた系について、試料調製条件を系統的に変えてin-situ ESR観測を行った。研究成果を以下にまとめる。 (1) 部分的に還元したTiO_2ナノ粒子に酸素を吸着させて調製した試料の77K ESRスペクトルは、表面O_2^-およびTi^<3+>に特徴的な線形からなる。両ラジカル種のESRパラメータはTiO_2の結晶型によって異なり、特にO_2^-のg_z値は、結晶型および生成サイトの違いに依存して大きく異なることがわかった。 (2) 77Kで可視光(λ=500nm~800nm)を照射すると、TiO_2表面に生成したO_2^-とTi^<3+>のESR信号強度カミ増加することを見出した。また、室温暗所では照射前と同一のスペクトル線形となり、この光応答は繰り返し起こることがわかった。この光応答を詳しく調べた結果、特定のg_z値を有するO_2^-だけが光活性を示し、そのg値は結晶型に依存して異なっていた。また、この光応答は、程度の差はあるものの、調べたすべてのTiO_2ナノ粒子(ルチル、アナタース、P-25)で観測できた。中でも、ルチル型において最も顕著であった。 (3) ルチル型TiO_2ナノ粒子では、g_z=2.023, 2.020の2種類のO_2^-が生成し、g_z=2.023のO_2^-は可視光照射には全く応答せず、g_z=2.020のO_2^-が光応答を示した。ESRスペクトルの積分値から、ルチル型において可視光照射で増加するO_2^-とTi^<3+>のスピン量の比は1:1であることがわかった。 (4) 光応答が顕著に起こる試料の調製条件を最適化した結果、TiO_2粉末を300℃大気下で1時間加熱処理し、500℃で脱気した後、水素を200Torr導入し1時間保持後、室温で残留ガスを脱気し封管することが最も適当であることがわかった。
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Research Products
(1 results)