2011 Fiscal Year Annual Research Report
共有結合型層状無機/有機複合体を利用した異種色素共存固体ナノ二次元場の構築
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21550196
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
藤井 和子 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, 主任研究員 (90343871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 秀夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, 主任研究員 (70343861)
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Keywords | エネルギー移動 / 有機/無機複合体 / 層状・層間化合物 / 異種色素共存体 / ナノ二次元空間 |
Research Abstract |
異なる機能性色素 異なる機能性色素が、ナノオーダーの二次元空間に共存した異種色素共存固体材料の創製を目指して、本課題に挑戦した。機能性色素間のエネルギー移動等の反応が、固体材料中で起こりえるからである。本年度は、本課題で構築を達成した、エネルギー移動が起こる異種色素共存固体材料のナノレベルの構造(異種色素間の配置等)の解明に挑んだ。さらに、新規ホスト材料の創製に関する基礎研究も始めた。 kが0.4以下の異種色素共存固体材料の二次元場におけるナノレベルの構造については、下記に箇条書きで示す構造モデルが、全ての実験結果と矛盾がないことが示された。 -ドナーの分布はランダムである -アクセプターの分布もランダムである -アクセプターは、ドナーの極近傍に位置する -アクセプターの極近傍に位置するドナーと、アクセプターまでの距離が非常に長い(~20nm)ドナーが存在する kが4.0の共存固体材料については、アクセプターがクラスター化した構造モデルで、説明できた。 エネルギー移動は、kの増大に伴い起こりやすくなる。従来、kの増大に伴う平均異種色素間距離の変化に基づいた解釈が、試みられてきたが、本課題の異種色素共存固体材料では、上記の構造モデルの様に、kが非常に低くても、全てのアクセプターがドナーの近傍に存在する。kの増大に伴い、アクセプターの極近傍に存在するドナーの割合が増大するため、エネルギー移動が起こりやすくなると考えられる。また、kが4の系では、約33%のドナーがエネルギー移動に関与しないことを示す実験結果が得られているが、これは、上記の様に、アクセプターがクラスター化するためだと考えられる。Kが4で、クラスターが形成されない構造モデルについては、殆ど全て(~99.9994%)のドナーからアクセプターにエネルギーが移動すると算出される。
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