2011 Fiscal Year Annual Research Report
ゲスト分子の高秩序配向性フィルム作製を目指した立体規則性ポリマーの特性解明
Project/Area Number |
21550206
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
板垣 秀幸 静岡大学, 教育学部, 教授 (10159824)
|
Keywords | 結晶成長 / 構造・機能材料 / 高分子構造・物性 / ナノ材料 / 光物性 / シンジオタクチックポリスチレン / フィルム角度依存性 / 偏光蛍光 |
Research Abstract |
本年度の成果は大きく4つにまとめられる。(1)溶媒によって、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)とフィブリル状組織を形成しゲルとなる場合とラメラ構造や球晶構造をとる場合があることに関して、様々な溶媒を試すことで、溶媒分子の溶解度パラメータと分子サイズで分類化することに成功した。SPSと溶解度パラメータの差が小さく、分子サイズが160Å^3より小さい溶媒はSPS鎖をδ包接型結晶と類似の構造にすることができ、ポリマー溶媒分子化合物も生成でき、ゲル組織となる。(2)金属錯体を形成する窒素や酸素を含む複素環化合物がSPSとゲルを形成することがわかったので、これらをゲスト分子とする共結晶の形成に目処をつけることができた。(3)現在我々グループだけのオリジナルである偏光蛍光強度角度分布(PFR)法とWAXSデータを比較することでpoly (ethylene terephthalate) (PET)やpoly (butylene terephthalate)の延伸・アニールによる低温結晶化過程を調べ、フィルム全体に高次に蛍光性基が配向したフィルムの評価法を確実にし、さらにPETの結晶化過程を明らかにした。(4)RPFR法を駆使して、SAXS・WAXS・IRと比較しながら、ホットプレス作製SPSフィルムと、ゲルから作製したSPSフィルムについて、延伸と気体および溶液処理をして共結晶が生成する初期過程を追跡し、SPS包接型結晶の配向性と結晶化過程を完全に明らかにすることができた。さらに包接型共結晶が可能なサイズの上限を示すことに成功した。
|