2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機‐無機ハイブリッド相互侵入網目発光ゲルの開発と平面発光素子への応用
Project/Area Number |
21550211
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
永 直文 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (40314538)
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Keywords | 相互侵入網目 / 有機-無機ハイブリッドゲル / σ-π共役高分子 / 電気化学発光 / 平面発光素子 |
Research Abstract |
平成22年度は、前年度に合成を検討した有機-無機ハイブリッド相互侵入網目発光ゲルの構造および特性解析を中心に検討を行った。同相互侵入網目発光ゲルは、トルエン等の有機溶媒、α,ω-非共役ジエンと多官能環状,籠状シロキサン化合物からなるネットワーク構造、σ-π共役系高分子から形成されている。走査型顕微光散乱装置により同ゲルの網目サイズ、および網目サイズ分布を測定したところ、網目サイズが約2nmで網目サイズ分布が極めて狭い均質な網目構造を形成していることが明らかになった。蛍光スペクトル測定では、共役系高分子に対して良溶媒を用いた場合、ゲル中の共役系高分子の蛍光強度が、網目構造の無い溶液中のそれに比べて高くなることが明らかになった。一方、貧溶媒を用いた場合は、ゲル中で共役系高分子の凝集が起こり、発光強度の低下、ゲルの収縮に伴う溶媒の染み出しが確認された。圧縮試験により、相互侵入網目発光ゲルは、比較対照としての共役系高分子を含まないゲルに比べて、力学的強度の向上がみられた。発光素子の作製にも着手したが、有機溶媒が揮発性であるため、安定した構造の素子の作製が困難であることが示唆された。そこで、高沸点溶媒を用いた発光ゲルや、不揮発性のイオン液体を用いた相互侵入網目ゲルについても検討を行った。前者については、ジクロロベンゼンを溶媒に用いたゲルで改善がみられ、後者については、現行の網目構造とは異なるが、溶媒との親和性を考慮した類似構造の網目構造を用いることにより、目的の発光素子の作製が可能になることを見出した。
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Research Products
(3 results)