2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550212
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
長谷川 匡俊 東邦大学, 理学部, 教授 (40237988)
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Keywords | 低熱膨張係数 / 低吸湿膨張係数 / ポリエステルイミド / 高周波特性 / 誘電率 / 誘電正接 / 低吸水率 / 低弾性率 |
Research Abstract |
(1)新規非対称ナフタレン基含有モノマーの分子設計と合成・精製 低弾性率化に有利な、分子断面積の大きい1,5-および2,6-ナフタレン骨格を有するエステル基含有テトラカルボン酸二無水物の合成を検討し、簡便な反応経路にて十分高い収率で目的とするモノマーを得た。文献検索の結果、本化合物は新規物質であることが判明した。更に純度を高めるべく、精製工程を検討し、極めて高純度の上記モノマーを得ることができた。 (2)ポリエステルイミド前駆体の重合と製膜 銅箔に近い低線熱膨張係数と高い膜靭性を同時に実現するために上記の新規エステル基含有モノマーと共に、屈曲性モノマーを共重合成分として部分的に使用して、ポリエステルイミド前駆体の重合条件(溶媒の種類、温度、モノマー濃度、モノマーの添加方法等)を検討し、極めて高分子量のポリエステルイミド前駆体得ることができた。これをキャスト製膜し、熱イミド化条件を検討して、十分フレキシブルで良質なポリエステルイミドフィルムを得ることができた。 (3)フィルム特性の評価 剛直で非対称構造であり、且つアスペクト比の低い(短軸に沿った分子断面積の大きい)上記モノマーを用いることで、300℃以上の高ガラス転移温度(Tg)、低線熱膨張係数(CTE)、低吸湿膨張係数(CHE)、低吸水率、高靭性を示しつつ、更に折り曲げ実装に有利な低反発性(低弾性率)を有する、新規なフレキシブルプリント配線基板用ベースフィル材料が得られた。本耐熱絶縁材料は、ナフタレン構造単位を含むことに由来して、最高レベルの難燃性を示した。また、本研究で開発した膜厚(Z)方向CTE測定法を用いて、Z-CTEを評価した。更に現在ポリエステルイミドに固有の副ガラス転移を抑制するための新規架橋性モノマーの合成を行っており、3次元的な寸法安定性の飛躍的改善を検討している。
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Research Products
(5 results)