2009 Fiscal Year Annual Research Report
ワイヤー型フォノニック結晶における振動モードとフォノンダイナミクス
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21560002
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
水野 誠司 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 講師 (90222322)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 規彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40175518)
田村 信一朗 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80109488)
田中 之博 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00281791)
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| Keywords | フォノニック結晶 / 量子細線 / フォノン |
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| Research Abstract |
ワイヤー型フォノニック結晶とは、異なる2種類の物質を軸方向に交互に繰り返して作製されるワイヤー状の人工物質で、「ナノワイヤー超格子」とも呼ばれる。本研究では、ワイヤー型フォノニック結晶の振動モードの特性を明らかにすることを目的のひとつとしている。本年度は、主にフォノン分散関係の計算を行うことにより、矩形および正方形の断面をもつワイヤー型フォノニック結晶に生じる振動モードの解析を行った。はじめに、空間群の理論を用いて振動モードの分類を行い、正しい対称性を持った変位ベクトルとして、どのような関数が許されるかを調べた。次に、それぞれのモードに対して、xyzアルゴリズムと呼ばれる、変分法に基づく数値計算法を用い、分散関係を求めた。この計算方法は、周期構造を持たない一様な矩形ワイヤーの振動モードの解析に用いられ、その有用性が認められた計算方法である。この計算方法を、矩形および正方形の断面をもつワイヤー型フォノニック結晶に適用できるように拡張を行った。その際、正しい対称性を持った変位ベクトルを基底関数として用いた。数値例として、GaAsとAlAsからなるワイヤー型フォノニック結晶、およびGaNとAlNからなるワイヤー型フォノニック結晶に対して、全ての振動モードの分散関係、および対応するフォノン変位を計算した。この計算結果に基づいて、ワイヤー型フォノニック結晶中のフォノンの特性を調べた。特に、ワイヤー軸に垂直な方向へのフォノン閉じこめの効果と、ワイヤー軸方向の超格子周期による変調の効果が、フォノンスペクトルにどのような変化をもたらすかを明らかにした。また、矩形断面の場合と正方形断面の場合で、フォノンスペクトルがどのように異なってくるかを明らかにした。
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