2012 Fiscal Year Annual Research Report
ワイヤー型フォノニック結晶における振動モードとフォノンダイナミクス
Project/Area Number |
21560002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
水野 誠司 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (90222322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 之博 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00281791)
西口 規彦 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40175518)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | フォノニック結晶 / 量子細線 / フォノン |
Research Abstract |
これまでの研究では、種々の断面形状をもつワイヤー型フォノニック結晶に対して、対称性の理論を用いて振動モードの分類を行い、正しい対称性を持った変位ベクトルの組を構成して分散関係を計算するプログラムを作成してきた。その際、ワイヤーの形状の対称性に加えて結晶自身の持つ対称性を考慮しなければならないが、断面形状の効果のみに注目してきた。計算は、GaAs/InAs系、InAs/InP系およびGaN/AlN系に対して行ったが、GaN/AlNナノワイヤー超格子に対して、ワイヤー半径と周期長の比、および、層厚比をうまく選ぶと、完全ギャップが出現することが示された。ただし、この計算では、GaNとAlNの構造は、立方晶(すなわち閃亜鉛構造)であると仮定しており、断面形状を円としていた。近年作成されているIII族窒化物ナノワイヤーの多くはウルツ鉱構造で、六角形の断面形状をとるものが多い。そこで、構成物質の構造異方性の効果を明らかにするため、等方性近似を適用してみたところ、ギャップが消失した。このことは、バンドギャップエンジニアリングを行う際に、結晶の異方性を十分考慮する必要があることを示している。そこで、ウルツ鉱構造をとるナノワイヤーに適応できるようにプログラムの改良を行い、六角形の断面をもつGaNからなるナノワイヤーの振動モードを解析して、結晶の異方性の効果を議論した。 また、近年、中空のナノワイヤー、すなわち、チューブ構造をもつワイヤーが作成され、盛んに研究が行われている。本研究においても、六角形断面のチューブ状GaNナノワイヤーの振動モード解析を行い、穴を開けたことによる効果を振動モードごとに解析し、その特徴をまとめた。特に、A1モードとE2モードが穴の大きさに敏感で、チューブの厚さを薄くしていくと、それらのモードの固有振動数は大きく低周波数側にシフトしてくることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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