2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機半導体の結晶欠陥の精密評価によるデバイス特性の向上
Project/Area Number |
21560005
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
吉本 則之 Iwate University, 工学研究科, 准教授 (80250637)
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Keywords | 有機半導体 / 結晶成長 / X線回折 / 有機トランジスタ / GIXD / 有機薄膜 |
Research Abstract |
有機半導体結晶の結晶成長を制御し、有機半導体結晶の結晶欠陥と有機薄膜トランジスタ中の伝導特性との関係を明らかにすることにより、有機トランジスタの特性を向上させることを目的とし、有機半導体薄膜の作製と構造及び特性の評価を行った。有機電界効果トランジスタにおいて、電荷キャリアは絶縁膜近傍の有機半導体の数分子層を流れることから、核形成過程を含む薄膜形成初期過程を綿密に調査することは、有機半導体蒸着膜の特性を制御するために重要である。われわれは、有機半導体蒸着膜について、in-plane GIXDにより平均膜厚1ML以下の超薄膜の構造評価を行った。その中で、オリゴチオフェンの一種であるDH-DS2Tでは、1層目と2層目以降で分子間のパッキングが異なることを見いだした。また、ペンタセンでは、初期から3次元的にアイランド成長し、2~3MLの厚みを持つアイランドの構造はより厚い膜のものと同じであることを明らかにするとともに、膜厚の増加にともなう多形転移の詳細を観察した。また、2次元検出器を用いた2D-GIXD測定により、サブモノレーヤの3次元構造や、ペンタセンの多形転移の詳細を解明に取り組み、さらに、大気暴露することなく作製した試料を2D-GIXD測定できる真空セルを作製し、真空一貫で有機半導体サブモノレーヤ超薄膜の2D-GIXD測定をできることを確認した。その結果、初期膜で薄膜相として指数漬けすることが可能な回折パタンが観測され、膜厚20nmでは、バルク相特有の回折点が観察された。両者の回折点の間にリング状のつながりが見られることから、両者の間にエピタキシャルな方位関係がある可能性がある。さらに、オリゴチオフェン系の有機半導体材料の薄膜についても実験を行い、今回作製した真空セルで2D-GIXD測定が十分に機能することが確認された。
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Research Products
(5 results)