2010 Fiscal Year Annual Research Report
液中レーザアニールによるナノ粒子の蛍光強度増加の機構解明と工学的応用
Project/Area Number |
21560011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 裕之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (00422527)
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Keywords | ナノ粒子 / 蛍光 / レーザ照射 |
Research Abstract |
本研究の目的は、液中レーザアニールによるナノ粒子の蛍光強度増加の機構解明と工学的応用である。昨年度、酸化亜鉛を中心としたナノ粒子の液中でのレーザアニールの機構解明を明らかにしたことを受け、本年度は、工学的応用を中心に研究を推進した。レーザをナノ粒子に照射してその特性を向上させる手法の工学的応用を考える上で、処理時間の短縮は重要なポイントである。そこで、ナノ粒子形成とレーザアニールを同時に行うことを中心に検討した。これは、ターゲット化した材料に液体中で集光パルスレーザ光を照射することにより試みた。これにより高性能ナノ粒子コロイドが短時間で生成できること明らかにした。工学的応用の観点から、この手法を下記の幅広い材料に適用した。 長残光材料:励起光遮断後も発光し続けるSr_2MgSi_2O_7:Eu,Dyに関する実験を行った。バイオイメージングは、生体内のがん等の特定部位を可視化したり、生体物質の移動経路を把握したりするバイオメディカル分野で重要な技術である。長残光ナノ粒子を利用すると、バイオイメージングにおける大きな課題の自家蛍光を解決できる。我々の用いた手法により高性能長残光ナノ粒子が得られることが分かった。また、ポリエチレングリコールによるナノ粒子表面のコーティングにより、光学特性が改善することが明らかとなった。 アップコンバージョン材料:生体を透過する赤外光を用いて励起が可能なY_2O_3:Erに関する実験を行った。高性能アップコンバージョンナノ粒子の発光を確認した。今後、バイオイメージングやがん治療等の工学的応用に展開していく。 半導体材料:エネルギー分野において重要な太陽電池の高効率化と低コスト化を図るため、量子ドット増感太陽電池が検討されており、本研究ではこのための半導体ナノ粒子としてInPの研究を行った。高性能InPナノ粒子の作製を確認し、エネルギー密度依存性や溶媒依存性等を調査した。
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Research Products
(17 results)