2011 Fiscal Year Annual Research Report
アンモニア触媒分解式ハイドライド気相成長法を用いた窒化アルミニウムの高速成長
Project/Area Number |
21560014
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
三宅 秀人 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70209881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 和政 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50165205)
直井 弘之 和歌山工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (10373101)
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Keywords | 窒化物半導体 / HVPE / AIN / 貫通転位 / EPD法 / ファセット制御 |
Research Abstract |
これまでの研究で減圧HVPE法を用いてサファイア基板上に高温成長することによって原子ステップを有する高品質AlN膜の作製が可能となった。本研究ではエッチピット(EPD)法を用いてAlNエピタキシャル中の貫通転位密度を測定した。また,ファセット制御により貫通転位の伝搬を抑制するため,三角ストライプ加工を施したAlN/Sapphire基板上へHVPE法により厚膜成長を行った。 サファイア上にMOVPE法により成長させたAlNをKOHとNaOHの混合融液を用いてエッチングを行い,、形状と密度から貫通転位の種類と密度の評価を行った。なお,この試料のXRCによるFWHMは(0002)回折は154arcsec,(10-10)回折は504arcsecである。ピットの径が3-5μmの他に,AlNの表面には3種類の大きさの異なるピットが形成された。この大きさにより転位の種類を判別することができ,最も小さなピットがa型転位(edge dislocation)である。0.3-0.5μm径のものはa+c型の混合転位(mix dislocation)、3-5μm径のものは数個の転位が束になったものであった。a型転位密度は1.9×10^9cm^<-2>,a+c型転位密度は2.3×10^8cm^<-2>であった。 AlN/サファイア基板にプラズマcvD法を用いてSiO_2を堆積させ,フォトリソグラフィ技術によってのストライプパターンを<1-100>AlN方向と平行に作製し,さらに断面形状が三角形をしたSiO_2マスクを形成した。その後,誘導結合プラズマエッチング装置(ICP)を用いて三角ストライプAlNサファイア基板上を作製した。180minの成長により28μmのクラックフリーAlN膜を得た。横方向成長によりボイドが形成され応力緩和がなされたため,クラックの発生を抑制された。また,明瞭な原子ステップが観察でき,転位密度が大幅に低減されていることが示唆される。表面平坦性を示すRMS値は0.121nmで,平坦性の極めて優れている。
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