2010 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性窒化物半導体のナノ構造における磁性制御に関する研究
Project/Area Number |
21560015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
周 逸凱 大阪大学, 産業科学研究科, 助教 (60346179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝日 一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90192947)
長谷川 繁彦 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50189528)
江村 修一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (90127192)
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Keywords | スピンエレクトロニクス / 半導体物性 / MBE / ナノ材料 / 結晶工学 |
Research Abstract |
電荷、スピン、光を一体とする磁性半導体を用いたデバイスは、その機能の多様化、且つ高度化が期待されている。本研究では、分子線エピタキシー(MBE)法を用いて、磁気モーメントの大きい新しいワイドギャップ室温強磁性半導体を創製し、新規デバイス応用に繋がる様々な物性研究を行った。特に、「スピン」と「光」と関連する磁気光学効果に注目した研究を行なっている。 今年度、大変重要なデバイス構造の1つのGaN/AlGaN多重ダブル量子井戸構造のGaN層に磁性原子Gdを添加し、この量子構造におけるキャリアの閉じ込め効果と磁性の関連性などを着目し、磁場Photoluminescence (PL)測定による磁気光学効果を中心に諸特性を調べた。15周期のGaGdN/AlGaN多重ダプル量子井戸構造をMBE法でGaN(0001)テンプレート基板の上に成長させた。キャリア(電子)の閉じ込め効果を強くするためにダブル井戸の両側に厚いAlGaN層を設けた。良質な表面及びヘテロ界面をX線回折測定、原子間力顕微鏡観察によって確認した。磁化測定より室温において強磁性を示す明瞭なヒステリシスループが観察された。磁場PLスペクトルから、GaNより高エネルギー側にGaGdN量子井戸層からの発光を確認し、7Tの外磁場では約15meVの極めて大きなレッドシフトを観測した。Gdを添加していないGaN/AlGaNと比べ、GaGdN/AlGaN多重ダブル量子井戸構造において、井戸からの発光のレッドシフトは30倍も大きいことがわかり、巨大ゼーマン効果を確認した。
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