2009 Fiscal Year Annual Research Report
混晶化合物半導体における電子正孔生成消滅過程の研究
Project/Area Number |
21560017
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
篠塚 雄三 Wakayama University, システム工学部, 教授 (30144918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 将人 和歌山大学, システム工学部, 助教 (70452539)
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Keywords | 化合物半導体 / 混晶 / 量子井戸 / 発光素子 / 半導体レーザー / 欠陥反応 / 再結合 |
Research Abstract |
本研究は、混晶化合物半導体におけるキャリヤの生成・消滅過程(光吸収と発光および非発光再結合)を対象に、モデル理論と第一原理計算の協力によって包括的な理論研究を行い、窒化物混晶半導体での未解決の3つの謎(大きなband gap bowing、発光始状態の起源、低い非輻射過程)の解明に取り組む。初年度(平成21年度)の成果は以下の通りである。 混晶量子井戸での電子状態に対して(a)transfer energyに関する非対角的な乱れ(t_<AB>≠t_<AA>≠t_<BB>)に対するCPA方程式を導くこと、またA_<1-x>A^*_xB型の化合物混晶の対角的な乱れ(ε_A≠ε_<A*>)に対するCPA方程式を導くことに成功した。これらについての結果は2009年秋の応物学会等において発表した。また現存論立に主とめているところである。 典型的な格子欠陥(置換型不純物、空格子、antisite欠陥など)において、局在準位の禁制帯中での位置と欠陥まわりの格子変位の関係に着目し、キャリヤ捕獲による荷電状態変化が引き起こす過渡的格子振動のダイナミクスをシミュレーションした。その結果、格子振動の減衰時定数とキャリヤ捕獲断面積の値によっては、キャリヤのコヒーレントな連続捕獲並びに格子振動の振幅増大の可能性があることが判明した。これらの結果はMRS2009年秋の年会(Boston, USA)の招待講演にて発表した。
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