2009 Fiscal Year Annual Research Report
鉄シリサイド強磁性相/半導体相人工格子の層間結合に及ぼす圧力効果とそのメカニズム
Project/Area Number |
21560022
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 薫 Fukuoka Institute of Technology, 工学部, 講師 (90236464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 剛司 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (70297761)
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Keywords | 鉄シリサイド / 超格子 / ヘテロ構造 / 量子井戸 / スピントロニクス / 圧力効果 |
Research Abstract |
巨大磁気抵抗の発見以来、スピン依存散乱を利用したデバイスの開発が進んでいる。強磁性層間のスイッチングは磁場のみで行なわれており、最近ではスピン電流注入の試みが活発になっているが、圧力による試みはない。今日までFe_3Si/FeSi_2超格子積層膜を作製し非磁性層に半導体相FeSi_2を採用し、半導体層の厚みに依存して強磁性、反強磁性結合が実現されていることを確認した。 また良質の量子井戸層が形成され、磁気層間結合が強いこともわかった。半導体は原子間距離の変化によって、電子構造が劇的に変化するので、圧力を印加することによって電子状態に変化をもたらす。層間結合の強磁性結合、反強磁性結合のスイッチングは半導体層の電子状態に対して極めて敏感であるので半導体/強磁性体超格子に対して層間結合に及ぼす圧力効果を探索している。 以前の圧力印加実験で強磁性結合膜(F膜)と反強磁性結合膜(AF膜)との圧力抵抗差に明白な違いがみられ、AF膜の方が大きな変化を示した(未発表)。磁気層間結合の変化に由来すると思われる。初年度の目的は圧力印加下で磁場を印加して磁気抵抗曲線を測定し、圧力抵抗効果と層間結合の状態を明らかにすることであったが、圧力セル挿入用簡易型クライオスタット、圧力セルの設計、及び測定プログラムの作成にとほぼ測定準備に費やした。クライオスタットは30K以下まで温度低下するので、一機に磁場、圧力下、低温での抵抗測定の実験が行われるようになった。また、この試料において中性子散乱による強磁性、反強磁性結合の証拠がえられ、電流注入による磁化反転、および強磁性、反強磁性結合変化の温度依存が得られている。圧力効果との対応が興味深い。
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