2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560023
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
坂本 謙二 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ有機センター, 主幹研究員 (00222000)
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Keywords | 液晶配向膜 / 光配向法 / プレチルト角 / ポリイミド / アゾベンゼン / マイクロコンタクトプリンティング / ナノドメイン・パターン |
Research Abstract |
マイクロコンタクト・プリンティング(μCP)法による水平/垂直ナノドメイン・パターン光配向膜の作製技術を確立するため、PDMSスタンプ上にポリアミック酸溶液をインキングする方法の検討実験を行った。前年度、パターン形成したPDMSスタンプにポリアミック酸溶液を直接スピンコートする、或いは平滑なガラス基板上にポリアミック酸をスピンコートしてそれをスタンプ台としてPDMSスタンプにインク付けする方法では均一なインキングができないことがわかったので、本年度は表面に微細構造を形成した基板をスタンプ台として用いる方法を検討した。ランダム粗さを有する基板としてフロストガラスと500nm厚のSiO_2スパッタ膜を用いた。また、人工的な凹凸面として10μmサイズの市松模様SiO_2スパッタ膜(厚さ:10,20,40,80nm)を用いた。厚さ40nmの市松模様SiO_2スパッタ膜と500nm厚のSiO_2スパッタ膜をスタンプ台として用いたとき、パターン形成したPDMSスタンプの凸部にポリアミック酸膜をインク付けすることができた。しかし、インク付けの均一性や転写の再現性が悪く、まだ確立したプロセスとはなっていない。並行して、水平/垂直ナノドメイン・パターン光配向膜の有効性を確認する実験を行った。水平配向ポリイミド光配向膜(プレチルト角~2゜)を石英基板上に形成した後、レジストを塗布し、フォトリソグラフィーにより開効率が15%に成るように直径1.5μmの円を配置したパターンを形成した。その状態で開口部をオクタデシルトリクロロシランで処理した後、レジストを除去した。この膜を配向膜とする液晶セルを作製し、プレチルト角を測定した。パターン領域のプレチルト角は8゜、シラン化領域のプレチルト角は~45゜であった。開口比から期待されるプレチルト角は:2゜x0.85+45゜x0.15≈8.5゜で実験結果とほぼ一致した。この結果は、水平/垂直ナノドメイン・パターン光配向膜のプレチルト角が各配向領域のプレチルト角の面積平均で決定されることを示唆するものである。
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Research Products
(7 results)