2010 Fiscal Year Annual Research Report
フレキシブル基板上の無機・有機薄膜のキャリア輸送特性
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21560028
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
白井 肇 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30206271)
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Keywords | ZnO / CuPc/C60 / 太陽電池 / グラフェン / 移動度 / 圧縮・伸縮応力 / DMSO/PEDOT:PSS |
Research Abstract |
前年度に確立したプラズマCVD法、スパッタ法および真空蒸着法により半導体Si、ZnO、CuPc/C_<60>系有機薄膜を作製し、薄膜トランジスター(TFT)、太陽電池素子の作製を系統的に行った。塩素系プラズマCVD法では、微結晶Si膜により、薄膜太陽電池の作製に従事している。特に透明導電膜のテクスチャ構造と素子性能との関連について検討を進めている。 スパッタ法によるZnO糸薄膜では、従来のスパッタ源に独立に酸素・窒素原子を供給するためのマイクロ波プラズマ源を導入し、独立に制御できるように装置を改良した。この結果膜中酸素、窒素原子導入の制御性が著しく向上した。しかし窒素原子の化学反応性から膜中への導入量の増大とともに結晶化率が劣化した。また短時間熱処理に対して結晶化の改善とともに窒素の離脱が促進した。この問題をZnO/ZnO:Nヘテロまたはサンドイッチ構想で短時間熱処理を行うことでZnO:N層の結晶化の促進とN原子の離脱の抑制を実現した。さらにAZO/ZnO:N/ZnOヘテロ構造で整流性を確認した。 有機薄膜系では、銅フタロシアニン(CuPc)/C60ヘテロ接合太陽電池を試作し、特に透明導電膜としてグラフェン、DMSO添加PEDOT:PSSを検討し、酸化グラフェンが正孔輸送層として活用できることを明らかにした。さらにDMSO添加PEDOT:PSSを透明導電膜に用いることでITOフリーな素子の設計が可能であることを明らかにした。性能はDMSO添加有無で0.6%から1.34%まで向上した。さらにPEDOT:PSS膜の膜厚方向のエッチング時における分光エリプソメトリーによるその場観察からDMSO添加が表面近傍の絶縁性PSSの低減に寄与していることを明らかにした。大気圧プラズマ照射条件の選択によりPSSの表面を改質することで、素子の特性、主に短絡電流密度、曲線因子の大幅な向上を実現した。この要因には、PSSの離脱にともなうシート抵抗の低減が直列抵抗の低減、並列抵抗の増大に寄与していることを明らかにした。これらの無機・有機薄膜素子をポリマー上基板に作製し、引っ張り・圧縮応力によるキャリア輸送特性への影響を定常電流、過渡光電流特性により評価を進めている。
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Research Products
(4 results)