2010 Fiscal Year Annual Research Report
組成変調ホウ化物系エピタキシャル薄膜の作製と新機能発現
Project/Area Number |
21560029
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉本 護 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (20174998)
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Keywords | ホウ化物 / エピタキシャル薄膜 / 組成変調 / パルスレーザーアブレーション / 半導体的電子機能 / 熱電変換機能 / 積層化 / ドーピング |
Research Abstract |
LaB6に代表される六ホウ化物系材料は、Bクラスターを構成要素に持つその特異な構造に由来して、超伝導性、強磁性、電子放出能、熱電変換能、などの電子デバイス応用の観点から見ても様々な魅力的物性をバルク体として有する。しかし、これまでホウ化物薄膜の合成に関連する研究はあまりされておらず、薄膜電子材料としての未知なる特性はまだ多く隠れている可能性が高い。これら薄膜新機能を引き出すような研究成果を狙うのが本研究の目的である。 本研究では、軽元素Bの八面体クラスターとアルカリ土類金属(Mg,Ca,Ba)や希土類(La,Euなど)から構成されるホウ化物結晶の単結晶ライクなエピタキシャル薄膜を、種々の単結晶基板上にパルスレーザーアブレーション(PLD)成膜法を適用して、堆積を試みることにした。また、当該研究第2段階である本年度では昨年度に引き続き、希土類ホウ化物やアルカリ土類金属ホウ化物を主体にして、基板効果、組成変調、異種薄膜の積層化、合成温度の低温化、または当該薄膜プロセス独自の種々のパラメータなどと、生成する薄膜の結晶構造との相関を系統的に評価することに主眼を置いて研究を行った。その結果、緩衝層導入によるMgO基板あるいはサファイア基板上でのエピタキシャル成長の促進を見出した。さらに、希土類とアルカリ土類金属との今後による六ホウ化物系エピタキシャル薄膜の合成に成功し、電気抵抗の温度依存性や表面仕事関数などの系統的な特性評価を行った。
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