2009 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン表面上ビスマス超薄膜の表面・界面物性シミュレーション
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21560030
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
斎藤 峯雄 Kanazawa University, 数物科学系, 教授 (60377398)
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Keywords | 超薄膜 / 電子状態 / スピン軌道相互作用 / 第一原理計算 / ラシュバ効果 / ナノリボン / 界面 |
Research Abstract |
Biナノ薄膜はSi基盤上で平坦な膜を形成し、そのデバイス応用が期待されている。そこで、基盤の影響を取り入れた電子状態シミュレーションが重要である。最近になり、最上層のBi膜が、ジグザグエッジ型の構造を取る事が明らかになった。そこで、本研究では、ジグザグ型のエッジを持つBiナノリボンの電子構造計算を行った。本系では、強いスピン軌道相互作用が電子構造に重要な影響を与えるため、この影響を考慮した密度汎関数法計算を行った。その結果ジグザグ端を持つグラフェンナノリボンと同様に、エッジに由来したバンドが、フェルミエネルギー近傍に存在する事が分かった。子のバンドは、スピン軌道相互作用により、分散が大きくなり、スピン軌道相互作用を取り入れない場合と比べるとフェルミエネルギー近傍の状態密度が減少する事が分かった。さらに、Bi基盤上でのBiナノリボンの電子状態計算を行った。この系では、反転対称性が破れるため、Bi膜2次元系で観測されるラシュバ効果の場合と同様に、Γ点などを除き、バンドが分裂する事がわかった。その結果、フェルミエネルギー近傍の状態密度がさらに減少することが分かった。本研究から、スピン軌道相互作用に由来するこの系の特異な電子構造が明らかとなった。
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