2009 Fiscal Year Annual Research Report
格子不整合薄膜表面構造とナノ構造形成のボンドエンジニアリング
Project/Area Number |
21560032
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 智徳 Mie University, 大学院・工学研究科, 教授 (80314136)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 亨 三重大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40362363)
|
Keywords | 半導体表面構造 / 状熊図 / 格子不整合系 / ナノ構造 / 成長機構 / 量子ドット / ドーピング機構 / 計算科学 |
Research Abstract |
今年度は,格子不整合系としてInAs/GaAs系,AlN/SiC系を対象として取り上げ,表面状態図および表面での原子の挙動に関する理論的検討を行った。これに加えてGaNに対するMgドーピングに関する検討も進めた。主要な研究テーマ別の概要ならびに実績は以下の通りである。 InAs/GaAs格子不整合系における表面構造安定性:GaAs(111)A基板上InAs成長薄膜の表面構造安定性と成長条件との関係を,表面状態図の観点から検討し,Asトライマーから成る(2×2)表面構造は格子不整合により不安定化されること,その結果GaAs(111)A基板上でのInAs成長においてはIn空孔が存在する表面構造が重要であることを明らかにした。また格子不整合が存在する場合には,原子の吸着サイトも通常のIn空孔位置ではなく,格子間位置となることもわかった。 AlN/SiC格子不整合系における構造多形の成長条件依存性:4H-SiC(11-20)基板上のAlN形成過程の成長条件依存性を検討し,III/V比が小さい領域では2H-AlNが,III/V比が大きい領域では4H-AlNが形成される傾向にあることを明らかにした.本結果は実験結果と一致しており,我々の量子論的アプローチが薄膜形成機構解明に対しても有効であることを示すものである。 GaN表面におけるMg吸着安定性:極性,半極性,無極性GaN表面におけるMg吸着安定性を系統的に検討し,極性面ではN-richの条件で,無極性面ではGa-richの条件でMg原子が吸着しやすいこと,一方,半極性面では条件によらずMgが吸着しやすいことを明らかにした。
|
Research Products
(39 results)