2009 Fiscal Year Annual Research Report
自己整合的カーボンナノチューブ成長とフィールドエミッタアレイ作製への応用
Project/Area Number |
21560033
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
佐藤 英樹 Mie University, 大学院・工学研究科, 准教授 (40324545)
|
Keywords | カーボンナノチューブ / 化学気相成長法 / スパッタリング法 / フィールドエミッタ |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(CNT)は化学気相成長(CVD)法により成長でき、また触媒金属が堆積された場所にのみ成長するという特徴があり、フォトリソグラフィなどの手法との組み合わせにより、様々な形状のCNT薄膜パターンやCNTピラーの形成が可能である。従来の方法では、触媒薄膜のパターニングによりCNTを成長させる場所、させない場所の制御は可能であったが、CNTが成長している場所の中でCNTの長さを徐々に変化させるような成長形態制御は不可能であった。このようなCNT成長形態制御の実現のため、本研究ではスパッタ成膜で見られる、高アスペクト比のホール底部における膜厚分布の不均一性、すなわちホール中心部で膜厚が厚く、端部では膜厚が薄くなることを利用し、個々のCNTピラー単位でのCNTの成長形態制御を試みた。これにより、従来よりも特性の優れたカーボンナノチューブフィールドエミッタアレイの製作が可能となる。 本研究では、サイズの異なるTEM用メッシュ(ホールアスペクト比0.3、0.8)を触媒金属パターニング用のマスクとして用い、触媒膜厚の堆積状況とCNT成長状況の相関を調べた。マスクを用いて成膜した触媒薄膜パターンのEPMAによる面分析を行ったところ、触媒薄膜の膜厚分布はホール中心部では厚く、端部に行くに従い薄くなる傾向を示した。この不均一さはホールアスペクト比に依存することが確認された。このような不均一な触媒膜厚の状態でCNTを成長させると、CNTピラーアレイの形状は触媒薄膜の形状を反映したものとなり、個々のピラーの中心部が山形になったもの、中心部がくぼんだものなど、従来見られない特異な成長形態を示すことが確認された。
|