2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己整合的カーボンナノチューブ成長とフィールドエミッタアレイ作製への応用
Project/Area Number |
21560033
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
佐藤 英樹 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40324545)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 化学気相成長法 / スパッタリング法 / フィールドエミッタ / CNTピラー |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、スパッタ成膜における高アスペクト比のホール底部での膜厚分布の不均一性(ホール中心部で膜厚が厚く、端部では膜厚が薄くなる)を利用し、個々のCNTピラー単位で成長形態制御を試みた。そして、これにより電界放出型電子源アレイを作製し、その電界放出特性を調べた。比較対象として、従来方法で作製したCNTピラーアレイ(四角柱形状のCNT集合体)を作製し、その電界放出特性を調べた。その結果、ピラー間隔(33~150μm)やピラー高さ(40~90μm)を変化させても、放出電流-印加電圧特性におけるTurn On電圧(電流密度が1mA/cm^2となる電圧)は430V程度であり、また電子放出の面内分布も不均一であった。これに対し、CNTピラー単位で成長形態制御を行った「山型CNTピラー」アレイの電界放出特性を調べたところ、Turn On電圧は230V程度と従来法によるものと比較して約半分まで低下し、さらに電子放出分布の面内均一性も向上し、エミッションサイト数がおよそ30%増加した。これは、CNTピラーを用いたフィールドエミッタアレイにおいて、その電子放出特性を向上させるにはピラーの間隔や高さなどのパラメータは重要ではなく、個々のピラーのモルフォロジを制御することが有効であることを示している。以上の結果から、本研究におけるCNTピラー成長形態制御は、フィールドエミッタアレイの電界放出特性向上に有効であることが示された。 なお、本年度実施予定としていた、「ガス流れ・ガス成分コントロールによるCNT成長制御」については、現在評価を行っているところであり、次年度も継続して実施する。
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