2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560043
|
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
落合 友四郎 Toyama Prefectural University, 工学部, 講師 (60423034)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ホセ ナチェル 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (60452984)
|
Keywords | 透明マント / クローキング / メタマテリアル |
Research Abstract |
本年度は、等方性マテリアルを用いた透明マントの設計方法について研究した。我々が考案した透明マントは連続的に変化する正と負の屈折率を持つ等方性マテリアルを組み合わせて設計されており、任意の方向と任意の偏光に対して、内側に隠した物体を不可視にすることができる。また、複数の共形変換を組み合わせることにより、幾何光学の占典的方程式を解くことをしなくても光の軌跡を得られることを示した。 透明マントを構成しているデバイスと内側の不可視領域の境界はもちろん存在するのだが、以前までに考案された等方性マテリアルを用いた透明マントの方式では、実際に計算をして境界を明確に定めることが容易ではなかった。ところが今回考案した方式では、デバイスと内側の不可視領域の境界を共形変換を用いて容易に定めることができる利点がある。 こぶのある鏡の周りに適切な屈折率分布をもつ等方性マテリアルを分布させると、光がこぶを迂回した経路をとり、あたかも光が平坦な鏡を反射したように見せることのできるクローキングの設計方法がある。このようなデバイスをカーペットクローキングと言うが、このカーペットタイプの場合、必要な屈折率分布が狭い領域でも大丈夫なので応用上重要な研究ターゲットである。今回用いた共形変換を用いた透明マントの設計方法は、より実現可能性の高いカーペットクローキングに応用できる可能性があり、重要な結果である。また、より一般的なクローキングの設計のために、共形変換の手法を深く調べることが重要であり、今回の研究成果はその第一歩になるであろう。
|