2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560043
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
落合 友四郎 大妻女子大学, 社会情報学部, 准教授 (60423034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ホセ ナチェル 東邦大学, 理学部, 准教授 (60452984)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 透明マント / クローキング / メタマテリアル |
Research Abstract |
透明マントを実現させる上で困難になるポイントとしては、光を大きく曲げるときに、極端に高い(または低い)屈性率を持つ物質が必要となる点である。特に、波長が短くなればなるほど、その波長に対応するメタマテリアルなどの素材を作るのは難しくなる。 この高い屈折率をもつ物質が必要となる困難を避けながら、物を隠す方法として、従来の透明マントとは別の方法としてカーペットクローキングが考案された。それは、フラットな鏡の中央部に膨らんだ窪みがあるが、光が入射すると窪みの周りを光が迂回して、外側から見るとあたかも完全にフラットな鏡にみえるという装置である。完全なクローキングを実現するには、高い屈折率が必要であり、技術的な難しさがある。それに比べて、カーペットクローキングはより緩和な屈折率で実現できる。 カーペットクローキングを設計する方法のひとつとして、ラプラス変換を用いるやり方を提案したが、ラプラス変換に用いられる関数形と、カーペットクローキングの境界形状の関係が興味深くなる。通常、ラプラス変換に用いられる関数形が決まると、境界形状が決定されるが、この方法の逆問題として、カーペットクローキングの境界の形状からラプラス変換に用いられる関数形を推定する方法論を調べた。 また、透明マントの設計方法には、座標変換を用いるもの以外にも、境界条件を用いて定式化する方法もある。これは、座標変換を用いる方法よりも直接的な方法であり、さらに深い知見を得ることができる。いままで考案してきた透明マントの設計を、境界条件を用いる方法で解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カーペットクローキングは、クローキング技術の最初の目標として、適切と考えられる。特にカーペットクローキングの境界形状を任意に定めるための方法論は、逆問題として課題となるが、カーペットクローキングの境界形状とラプラス変換との関連性を調べた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、ラプラス変換によるカーペットクローキングの設計方法について、より具体的な例を調べながら、理解を深めていきたい。 また、ラプラス変換による設計方法を境界値問題として定式化できないか検討したい。
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