2010 Fiscal Year Annual Research Report
高安定原子時計のための冷却原子とイオンの相互作用の研究
Project/Area Number |
21560050
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
渡部 謙一 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (50358389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見澤 昭文 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (50462833)
保坂 一元 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (50462859)
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Keywords | イオントラップ / 冷却原子ビーム / 実用原子時計 |
Research Abstract |
冷却原子とイオンの相互作用によるイオン冷却と状態選択・状態検出を採用した、従来の水素メーザーなどに置き換わる全く新しい実用原子時計の開発を行うため、今年度は、Rb冷却原子ビームの光ポンピング用レーザーの開発及びYb^+イオントラップ装置の改良を行った。 1.光ポンピング用レーザーの開発 Rb冷却原子を光ポンピングするための光源として、1590nmDFBレーザーよりファイバー結合導波路型の非線形光学結晶を用いて第2高調波の795nm(RbDl線)を発生する方式を採用した。1590nmDFBレーザーシステム、温度制御システム、非線形光学結晶の設計・製作を行い、1590nmの入力約4mWで795nmの出力約10μWを得た。更に、高出力化を図るために、エルビウム添加光ファイバアンプシステムの設計・製作を行い、出力約2mWを得た。 2.Yb^+イオントラップ装置の改良 多数のイオンを軸上にトラップできるリニアトラップおよびそれを収納するための真空槽の改良として、次の設計・製作を行った。1)イオンとの荷電交換によりイオン化された原子を検出するための二次電子増倍器の効率を上げるために、その配置を冷却原子ビームの進行方向にあり、イオントラップ用電極の後方にした。2)Rb原子とYb^+イオンのスピン交換を観測するために、Rb原子を光ポンピングするレーザーを入射し、蛍光を検出するシステムをイオントラップ用電極の後方に構成した。これは、冷却Rb原子ビームの一部は、Yb^+イオンと荷電交換が起こらないでイオントラップ領域を通過すると予想されるため、通過したRb原子のスピンの状態を測定することにより、入射した状態からの変化を観測するものである。3)イオンをトラップするための電極をステンレス製の8重極構造とした。
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